青木真莉子の滞在日記
ねがいを込めて燃やす
2020年11月19日

いよいよ大煙突に向けて、ささやかな願い事が叶うように祈る日がきた。
凄い速さでこの日がきた事に驚く。

午前9時前、太田尻海岸に到着。
海岸は空気が澄み切っていて、とにかく綺麗だった。

さて、準備を始める。
下見で決めていた場所が大波が入り込んで、祈るには危険すぎる状態だったので、
最終的に最初のイメージと同じ、海をバックに祈る事にした。
薪ストーブを組み立て、機材を設置しているところで日立市郷土博物館の大森さんと大平さんが到着。
少し設置に手間取った後、大平さんに火おこしのレクチャーをしてもらう。
本当はレクチャー後に、火おこしを体験する流れだったが、あまりにも鮮やかに火をおこす様に感服してしまい、そのままスタートしてしまった。後にかなり興奮していたよと撮影クルーに言われる。段取り守らずごめんなさい。

正座し、漫画を火にくべる大平さん。
流れるアフレコのセリフ。
願いを叫ぶ青木&タコさん。
美しい海の音。
漫画は炎に包まれ、願いは煙となって大煙突に向かった。

ものの15分くらい。
凄くよかった。
昨今のルールが捻じ曲げられて成り立つ儀式が、今日出来て凄くよかった。
地元の子供達や、大勢の人とやりたいと思った。

協力してくれた大森さん、大平さんには本当に感謝。
ありがとうございました。

孤島からSOS
2020年11月16日

朝晩、私が制作しているCocoonの前を、通勤通学で多くの人が通り過ぎる。
本当に凄い勢いで、通り過ぎる。
私は通り過ぎる人を見ながら、交流アートプロジェクトについて思いを巡らす。
考え出したら止まらない。

ぐるぐる

コロナウイルスの事がなければ、青空コーヒーでも開いて道行く人とお喋りしながら制作できたな。

タラレバ
タラレバ

今私は陸の孤島にいる。
孤島からSOS信号を出してみたら、誰かが気づいて返事をくれるかもしれない。
思い立って、わるあがきする事にした。
大きくメッセージを紙に書いて、窓ガラスに貼る。
返事はなくとも、そのメッセージは目から頭に入り込み、誰かの日常に持ち帰られると信じて。

アフレコだよ!
2020年11月15日

11月15日(日)アフレコ当日。
初めてのアフレコ、緊張がすごかった。
先ず協力して頂いたのは、制作場所に使わせてもらっているCocoonのオーナー長山さん。
長山さんは演劇の経験者で、色々な役を経験してきたそう。今回は茶トラの役と効果音をやって頂いた。
アフレコ開始、先ずびっくり!役に入りきり、とても素晴らしい声を収録させて頂いた。感謝。
私とコーディネーターのタコさんにも協力して頂き、3人でアフレコしたのですが、とても楽しかった。
因みにタコさんも上手でした。凄い。

夜になり、仕事終わりに駆けつけてくれたのは、
千年計画というユニットを組んでいる、演劇のプロ!小林千紘さん。
はじめましての挨拶もすぐに、アフレコスタート!
第一声に思わずびっくり。プロの声量凄すぎました。
役の簡単な設定に、「ふわっとした感じで」「まがまがしい感じで」など、なんともふわっとしたリクエストにも次々に答えてくれた。
調子にのって、ほぼ全部の役、効果音をやってもらい、無事にアフレコ終了。
本当に感謝。
長山さん、小林さん、ご協力ありがとうございました!!!!!

漫画を描く
2020年11月10日

漫画を描き始める。
アフレコが5日後に控えている為、ネーム2日、ペン入れ2日でやり遂げなければならない。厳しい。
週刊誌の漫画家さんは、毎週毎週こんなことを続けているかと感服。そして時間がない。
「いし」 「願い」 「大煙突」 「人」 「物」 「土地」 「歴史」 どんな世界が描けるか想像しながら、ひたすら手を動かす。

ネームが終わり、ペン入れ(線のみ)を終えて、私は遂にコーディネーターのタコさんに消しゴムを持たせた。

消し消し消し消し消し

正方形のテーブルの上で、ひたすら消すタコさん。
ありがとう。

消し、書く、消し、描く

ひたすら原稿と睨み合った末、ひとまず完成。

翌朝印刷しにダイソーへ。
1枚づつコピーするのが結構大変。そして、休日のダイソーは朝から混んでいる。

緊張しながらも印刷が終わり、無事に台本にする事ができた。良かった。

さぁ、いよいよアフレコだよ!

いしまち止めていし探し
2020年11月7日

滞在1週間が過ぎ、地域の人から「いし」を集める事の難しさを知る。制作する時間も限られている為、少しプランを変更。人以外の地域のひとから「いし」を集める事にした。地域アートプロジェクトは勿論人が主導で動いて行っているが、別に人だけのものではなく、この土地に生きる全てのものの為であれと思う。

それでも人以外に広げるとターゲットは沢山。これも1ヶ月という短すぎる期間では曖昧な行動や答えしか出せそうにもない。それはよろしくない。
なので今回は、地域の人が手放したものたちに絞る事にし、歩いて30分のリサイクルショップ向かった。

私はリサイクルショップが好きだ。大事だった物、邪魔だった物、どうでもいい物など、誰かが手放した時間や思いがひしめき合っていて、私の生きる時間の中で出会う事ないだろう一品に出会う事が出来る。パラレルワールドか様々な宇宙がひしめきあう空間、雑多な大宇宙である。騒々しくて、面白い。

丁寧に店内を捜索する、棚に置かれる物達をじっと見つめて考える、手に取ってはじっと見つめる、棚に戻してじっと見つめる、手に取る。
繰り返し繰り返しコミュニケーション。

そんな中で数点、お付き合い頂く事になった物達をリュックサックに詰めてまた30分歩いて帰る。
心なしか、行きよりも気持ちは軽い。しかし、リュックは重い。これも吉。

 

煙をあげる場所へ
2020年11月5日

プロジェクトのクライマックスである、薪ストーブで漫画を燃やして、お祈りする場所を探しにいった。

と、その前に中学校へ「いし」と「言葉」のお願いへ行く。
久しぶりの学校はなんだかオフィスみたいだった。きっと私が子供の頃と比べたら、色々な事が様変わりしてきたんだろう。存在は変わらずあっても、学校が学校でなくなり、先生が先生でなくなる日もくるんだろうか。きっとその頃には、私、婆ちゃんか死んでいるな。。云々
学校では、とっても明るくて面白い美術の先生を紹介して頂き、協力をお願いする。私の拙い説明もしっかり聞いてくれて、何人か興味ありそうな子にあたってくれるそう。ありがとう先生、よろしくお願いします。

そしていよいよ場所探しに。先ずは神社まで。
お邪魔した場所は大きな鳥居を車で通るという、ダイナミックな神社であった。
立派な雌鶏と雄鶏は放し飼いに、大きすぎるおみくじ、ピカチュウ&ドラえもんの石と、なんとも個性的な神社。ここはもうすでに世界が完成していて、どうにも介入する余地はなさそう。残念、面白かったけどね。

さて次の場所の海まで移動。
海岸に着くと、ここがとても静か。鵜も飛び、大きくえぐれた岩が立つ素敵な海岸でした。
速攻でここに決まりです。

 

その後、海岸目の前の、レストラン CAFE & DINING海音で美味しいご飯。
料理に使う塩も昔ながらの製法で、なんと土器で焼いて作っているのだ。ほのかに甘い塩も頂いて、満足。ご馳走様でした。

ご飯を食べたら、展覧会の打ち合わせに日立市郷土博物館へ。
学芸員さんと会場を確認した後、作品と一緒に展示する収蔵品を選びに収蔵庫へ。
収蔵庫には沢山の歴史を語る品が保管されていて、始終興奮。いくらでも居れるな〜と思いながら、選んでいきます。
そんな中、とても素晴らしい出会いがあり、薪ストーブで漫画を燃やす際の火種を、火おこし機で起こせる事になりました。
思いがけない展開。
プロジェクトが面白く変化してきて、嬉しい。

さーさー
そろそろ漫画にも取り掛かかろう。

つづく

かわいいラムと美味しいおにぎり
2020年11月4日

癒してくれたラムと元気をくれたおにぎり。

日立市におじゃまします。
2020年11月3日

11月1日(日)晴れ、日立市に到着した。初日は制作場所にお借りするCocoonという日立市多賀町のコミュニティスペースにて、お世話になる管理人さんにご挨拶。柔らかな人柄に気持ちほぐれる。

挨拶のち、ご飯食べようとスペース近くをテクテク。

道沿いにポンツと佇む、半分葉っぱに覆われたご飯屋さんに惹かれて、吸い込まれるように入店。

「カウンターでお願いします。」カウンター奥に座っていたおじさんは言う。

カウンターに座る。

常連さんかと思ったおじさん、厨房に入る。おじさんは亭主でした。あたりを見渡してもお昼のメニューらしきものはない。両サイドのおじさん、おじいさんはビールを飲んでいる。ここはビールでいくべきか。。と瞬時に思いながらも、店先に出ていた、刺身定食&かきあげ定食を想像する。

刺身定食にした。500円だった。

食事中、亭主おじさんは家族の歴史をひたすら語ってくれた。刀をさしていたおじいさんの話から、板前修行、今にいたるまで、、、このささやかな時間、厨房後ろの小さな窓から入る光で、亭主おじさんの輪郭は光り輝いていた。

亭主おじさん、美味しかったよ、ありがとう。

店を出て、今度は海までテクテク。10分くらいと聞いた道のりは遠かった。

海に出会えた瞬間。思わず、最高だよ、、と思う。

サーファーが波にのりまくる中、ここで煙突出来るかなと制作プランを頭に回す。集まった「いし」は、現在2つ。全然集まっていないなぁ、どうしようか、困ったな。でも、いいもの作れそうな予感はすこぶるあって、1ヶ月がんばろうと思います。

 

 

「いし」について

今回、私の作品には、願いを込めた「いし」と「言葉」が必要だ。
「いし」っていうのは別に石でなくて良くて、人形や写真、小説だっていい。
その人にとって、自分の願い=意思を込めた「いし」であれば。
「言葉」はその願いに関する言葉であればなんでもいい事になっている。
そして、この2つを地元の人に届けてもらう事からプロジェクトが始まる。

手元にある3つの「いし」は全て石である。

うん。石でもいいよ。 届けてくれて、ありがとうございます。

でもなんで3つとも石なのかな、、?

聞いてみると、どうやら最初に「いし」って書いてあるからっぽい、「いし=石」即座に頭の中で変換される。
「いし」が「石」以外の存在になることはないのかもしれない。
ただ、私の説明文章が悪かっただけの話かもしれない。。反省

そんな流れで私が「いし」と「言葉」のサンプルを作って、資料プリントを作り配る事にした。
通じると良いな。いし

         

しかし、
そんな事はあんまり問題でなかった事が、次の日にわかる事になる。 11月3日(火)

つづく

只今、準備中です!
2020年10月8日